滑舌がよくなるトレーニング|毎日できる簡単な練習方法を解説

「話しているとよく聞き返される」
「歌詞がはっきり聞こえないと言われる」
「早口になると、言葉がうまく回らない」

このような悩みがある場合、滑舌のトレーニングを取り入れることで改善が期待できます。

滑舌は、生まれつきだけで決まるものではありません。舌や唇、あごなどを動かす練習を続けることで、少しずつ言葉をはっきり発音しやすくなります。

この記事では、滑舌が悪くなる原因と、自宅で簡単にできるトレーニング方法を初心者向けに紹介します。

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滑舌がよいとは、どのような状態?

滑舌がよい状態とは、一つひとつの言葉が聞き取りやすく、相手に正しく伝わる状態のことです。

単純に大きな声で話せばよいわけではありません。

滑舌には、主に次の要素が関係しています。

  • 舌が正しい位置に動いている
  • 唇がしっかり動いている
  • 口が適度に開いている
  • 息と声のタイミングが合っている
  • 話す速さが安定している

口周りの筋肉を大きく動かせていても、息が足りなかったり、話すスピードが速すぎたりすると、言葉は聞き取りにくくなります。

つまり滑舌を改善するためには、舌だけではなく、唇やあご、呼吸、話す速さまで含めて練習することが大切です。

滑舌が悪くなる主な原因

舌の動きが小さい

発音するときには、舌先や舌の中央部分を細かく動かします。

しかし、普段からあまり口を動かさずに話していると、舌の動きも小さくなりやすくなります。

特に、「ら行」「た行」「な行」などは舌先の動きが重要です。

舌が正しい位置まで動かないと、音が曖昧になったり、別の音に聞こえたりすることがあります。

唇が動いていない

「ぱ行」「ば行」「ま行」などは、唇を使って発音する音です。

唇の動きが小さいと、言葉の輪郭がぼやけてしまいます。

また、「う」と「お」、「い」と「え」のような母音の違いも、唇の形が十分に変わらないと伝わりにくくなります。

口の開きが小さい

緊張しているときや、小さな声で話しているときは、口の開きが小さくなりがちです。

口が十分に開いていないと、舌や唇が動ける範囲も狭くなります。

ただし、無理に大きく口を開けばよいわけではありません。

あごに力を入れすぎず、自然に動かせる範囲を広げていくことが重要です。

話すスピードが速すぎる

頭の中で考えていることを早く伝えようとすると、発音が追いつかなくなることがあります。

一つの言葉を発音し終わる前に次の言葉へ進んでしまうため、音がつながり、聞き取りにくくなります。

早口を直したい場合は、発音練習だけでなく、ゆっくり話す練習も必要です。

口周りに力が入りすぎている

滑舌をよくしようとして、舌や唇に力を入れすぎる人もいます。

しかし、力みが強くなると、かえって口周りが動かしにくくなります。

滑舌トレーニングでは、大きく動かすことと同時に、余計な力を抜くことも意識しましょう。

滑舌トレーニングを始める前の準備

いきなり早口言葉から始めるのではなく、まずは口周りを軽くほぐします。

あごをほぐす

口を軽く開けて、あごを左右にゆっくり動かします。

次に、小さな円を描くように、あごをゆっくり回します。

痛みが出ない範囲で、10秒から20秒ほど行いましょう。

あごに力が入っている人は、口を開くときに首や肩まで緊張していることがあります。肩を下げ、力を抜いた状態で行うことが大切です。

唇をほぐす

唇を前に突き出したあと、横に大きく引きます。

「う」の形と「い」の形を交互につくるイメージです。

ゆっくり10回ほど繰り返しましょう。

慣れてきたら、唇を軽く閉じたまま息を吐き、ブルブルと振動させるリップロールもおすすめです。

ただし、強く息を吹きすぎる必要はありません。唇が軽く振動する程度で十分です。

舌をほぐす

口を閉じたまま、舌先で歯ぐきの外側をなぞります。

上の歯から下の歯まで、舌を大きく回しましょう。

右回りと左回りを、それぞれ5回程度行います。

舌の付け根やあごに強い痛みが出る場合は、無理に続けないようにしてください。

滑舌がよくなる基本トレーニング

1.母音をはっきり発音する

まずは「あ・い・う・え・お」を、一音ずつ丁寧に発音します。

ただ声を出すだけではなく、それぞれの口の形をしっかり変えることがポイントです。

  • 「あ」は自然に口を縦に開く
  • 「い」は唇を横に引く
  • 「う」は唇を前に丸める
  • 「え」は「い」よりも少し口を開く
  • 「お」は唇を丸めながら口の中を広げる

最初は、鏡を見ながら行うと口の動きを確認しやすくなります。

次のように、母音の順番を変える練習も効果的です。

「あえいうえおあお」
「いうえおあおえあ」
「うえおあおあいう」

速さよりも、音の違いがはっきり伝わることを優先しましょう。

2.「あいうえお」を大きく動かす

声を出さずに、口だけで「あいうえお」の形をつくります。

一つの母音につき、1秒から2秒ほどかけて大きく動かします。

この練習では、唇とあごの動きを確認できます。

ただし、口を大きく開くことに集中しすぎると、あごに力が入りやすくなります。最大まで開く必要はなく、無理なく動かせる範囲で行いましょう。

3.舌先を動かす「ら行」トレーニング

「ら行」は、舌先の素早い動きが必要です。

まずは、ゆっくり次の音を繰り返します。

「ら・り・る・れ・ろ」

次に、少しずつスピードを上げます。

「らりるれろ、らりるれろ」
「りるれろら、りるれろら」
「るれろらり、るれろらり」

舌先を強く押しつけるのではなく、上の前歯の少し後ろあたりに軽く触れさせるイメージで発音します。

うまく言えない場合は、スピードを落としましょう。

4.「た行・な行・ら行」を続けて発音する

た行、な行、ら行は、いずれも舌先のコントロールが重要です。

次の順番でゆっくり発音します。

「たてと、たてと」
「なねの、なねの」
「られろ、られろ」

慣れてきたら、組み合わせて練習します。

「たらたら、ならなら」
「たなラ、たなラ」
「とろろ、とろろ」

難しい音を練習するときは、最初から早く言おうとしないことが大切です。

正しく発音できる速度から始め、徐々に速くしていきましょう。

5.唇を使う「ぱ・ば・ま」トレーニング

唇の動きを鍛えたい場合は、「ぱ行」「ば行」「ま行」の練習がおすすめです。

「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」
「ば・び・ぶ・べ・ぼ」
「ま・み・む・め・も」

それぞれ、唇を一度閉じてから音を出します。

次のような組み合わせも練習してみましょう。

「ぱばま、ぱばま」
「ぴびみ、ぴびみ」
「ぷぶむ、ぷぶむ」

唇の動きが小さくならないように、鏡で確認しながら行うと効果的です。

6.一音ずつ区切って文章を読む

滑舌を改善するためには、単音だけでなく、文章を読む練習も必要です。

最初は、文章を一つのまとまりとして読むのではなく、言葉を丁寧に区切ります。

たとえば、

「今日は天気がよいので、公園まで散歩に行きます」

という文章なら、

「きょうは|てんきが|よいので|こうえんまで|さんぽに|いきます」

のように、意味のまとまりごとに区切ります。

一つひとつの音を完全に分断する必要はありません。

意味が伝わるまとまりを意識しながら、ゆっくり読むことがポイントです。

7.録音して聞き返す

自分の滑舌を確認するには、録音が非常に役立ちます。

話している最中は、どの言葉が聞き取りにくいのか自分では気づきにくいものです。

スマートフォンの録音機能を使い、短い文章を読んでみましょう。

確認するときは、次の点に注目します。

  • 語尾が小さくなっていないか
  • 言葉同士がつながりすぎていないか
  • 特定の行が聞き取りにくくないか
  • 早口になっていないか
  • 母音の違いが伝わっているか

録音を聞いて苦手な音を見つけたら、その音を重点的に練習します。

早口言葉は滑舌改善に効果がある?

早口言葉は、滑舌トレーニングとしてよく使われます。

ただし、最初から速く言う必要はありません。

早口言葉の目的は、失敗せずに速く読むことではなく、難しい音の並びを正確に発音することです。

まずは、次の文章をゆっくり読んでみましょう。

「生麦、生米、生卵」
「赤巻紙、青巻紙、黄巻紙」
「隣の客は、よく柿食う客だ」
「東京特許許可局」
「新春シャンソンショー」

一度で言えなくても問題ありません。

言いにくい部分を見つけたら、その部分だけを切り出します。

たとえば「赤巻紙」が言いにくい場合は、

「あか」
「まき」
「がみ」
「あかまき」
「まきがみ」
「あかまきがみ」

というように、短く分けて練習します。

正しく言えるようになってから、少しずつスピードを上げましょう。

歌の滑舌をよくするトレーニング

歌の場合は、話し声とは違い、音程やリズムに合わせながら発音する必要があります。

そのため、普段は問題なく話せる人でも、歌うと歌詞が聞き取りにくくなることがあります。

歌詞を声に出して読む

曲を歌う前に、歌詞だけを普通の話し声で読みます。

このとき、歌うように読むのではなく、相手に内容を伝えるように読みましょう。

歌詞の意味や文章の区切りを確認できるため、言葉が流れにくくなります。

リズムだけで歌詞を読む

次に、音程をつけず、曲のリズムに合わせて歌詞を読みます。

難しいフレーズでは、音程よりも先に、言葉とリズムの組み合わせを整理することが大切です。

テンポが速い曲では、再生速度を落として練習してもよいでしょう。

母音だけで歌う

歌詞から子音を外し、母音だけで歌う練習もあります。

たとえば「ありがとう」であれば、母音は「あいあおう」に近い形になります。

母音だけで歌うことで、声の流れや口の形を確認しやすくなります。

その後で子音を戻すと、言葉を無理に押し込まずに発音しやすくなります。

子音を強くしすぎない

歌詞をはっきりさせようとして、子音を強く出しすぎると、歌声の流れが途切れることがあります。

特に「か行」「た行」「ぱ行」は、強く発音すると息が多く出やすい音です。

子音を目立たせるというより、子音を発音するタイミングを少し丁寧にする意識を持ちましょう。

毎日5分でできる滑舌トレーニングメニュー

滑舌トレーニングは、長時間まとめて行うよりも、短い時間でも継続することが大切です。

初心者には、次の5分メニューがおすすめです。

1分目:口周りをほぐす

  • あごを左右に動かす
  • 唇を前後に動かす
  • 舌を口の中で回す

2分目:母音練習

「あ・い・う・え・お」を、口の形を変えながら丁寧に発音します。

3分目:苦手な行を練習する

「ら行」「た行」「さ行」など、自分が言いにくい音を繰り返します。

4分目:短い文章を読む

ニュースや本、歌詞などを、ゆっくりはっきり読みます。

5分目:録音して確認する

最後に短い文章を録音し、自分の発音を聞き返します。

毎日すべてのメニューを完璧に行う必要はありません。

忙しい日は、母音練習と文章読みだけでも構いません。継続できる内容に調整しましょう。

滑舌トレーニングで注意したいこと

痛みが出るまで続けない

舌やあごのトレーニングでは、普段使っていない筋肉が疲れることがあります。

しかし、強い痛みや違和感が出る場合は、すぐに中止してください。

特に、あごを開くと痛む、口を動かすと音が鳴る、舌が強く痛むといった症状がある場合は、無理なトレーニングを避けましょう。

速さより正確さを優先する

滑舌練習では、速く話すことが目標になりやすいですが、速さだけを追いかけると発音が崩れます。

まずはゆっくり、正確に発音できる状態をつくります。

その後、正確さを保てる範囲で少しずつ速度を上げていきましょう。

大きな声を出しすぎない

滑舌トレーニングは、大声で行う必要はありません。

無理に大きな声を出すと、のどや口周りに力が入りやすくなります。

普段話す程度の声量で、言葉が明確に聞こえることを目指しましょう。

苦手な音を確認する

すべての音を同じ回数練習するよりも、自分の苦手な音を重点的に練習した方が効率的です。

録音をしたり、家族や友人に聞いてもらったりして、聞き取りにくい音を確認しましょう。

滑舌は少しずつ改善していく

滑舌は、1日練習しただけで急激に変わるものではありません。

舌や唇の動かし方を覚え、普段の話し方まで変えていくには、ある程度の時間が必要です。

大切なのは、毎日少しずつ続けることです。

まずは、

  • 母音をはっきり発音する
  • 舌と唇を丁寧に動かす
  • ゆっくり文章を読む
  • 自分の声を録音する

この4つから始めてみましょう。

滑舌がよくなると、会話が伝わりやすくなるだけでなく、歌詞やセリフの表現も相手に届けやすくなります。

速く話すことではなく、「相手に言葉を届けること」を意識しながら、自分のペースで練習してみてください。

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